
夏休みに、中三の「さき」が手伝いにやってきた。
彼女は知る人ぞ知る、あの土佐のハチキン母トラの独り娘。
手伝いの目的の一つは「受験勉強を勝ち抜くための強い精神力と体力作り」だが、もう一つは「ダイエット」。○4キロの体重を○9キロまで落としたいという乙女の健気な目標があった。
「うちは腹いっぱい食って痩せられて、なおかつギャラがもらえる」。このオレの殺し文句は効果覿面らしい。
初日の二、三日過ぎから、ピンクのサンダルに、ぴちぴちの半パンツ、そのケツにタオルを突っ込む、マウンテンドームスタイルに変身し、汗だくの日々が始まった。
1週間ほどして、「おっちゃん、おっちゃん、これだけ減った」と、3本指を見せて嬉しそうに耳打ちしてきた。「喜ぶのは、もう1キロ減らしてからや」。これは叱咤激励の言葉である。それからも彼女は黙々と頑張った。
バイト最終日の前夜、グッドタイミングで泊まり客が途絶えた。懸命に頑張ったご褒美にと、彼女の念願の四国に一店しかないというドンキホーテに連れて行った。
「なに買ったんや?」
「アレとアレと、コレとコレ、それとセルライトを取る器具」
彼女のダイエット願望は本物だったのだ。
ところがその帰り道に立ち寄った中華やが悪かった。
あまりにも食わせ過ぎた。
その結果、目標の○9キロ寸前の○○キロジャストで彼女のダイエットは幕を閉じた。そして彼女は自信に満ちた顔で母トラと土佐に帰って行った。
「可愛い子には旅をさせろ」である。これでめでたく子トラは「母離れ」、母トラは「娘離れ」ができたのだ。
―写真はコトラと父トラ―
★次回はいよいよ「癒しのミク」登場予定。