
数年前、あるTVの新番組で名犬特集のオープニング記念にと、うちの看板犬ゴローとジローに出演依頼がきたことがあった。
事前の打ち合わせでディレクターが「どんなふうに賢いのか?」ときいてきたから、よく聞いとけよで、
●どこにいても白ヒゲの指笛一つで駆け戻ってくる、というと「・・・」。
●「WAIT!」と命令すれば何時間でも「待て」ができる、というと「・・・」。
●お客さんとそうでない人との見分けがつく、というと「どんなふうに?」ときたから、お客さんでない人には吠えるけど、お客さんとわかれば絶対に吠えない、というと「・・・」。
ならば、で人相風体の悪い人や挙動不審者には絶対に吠えるよ、といってやってみたが「・・・」。
●子供たちに愛犬たちが泳ぐ姿を見せようとして川に入るように合図しても、理由なく水に入るのはご主人様の命令でも無視する」といっても「・・・」。
●ならばと、深みにわが身を沈めて「助けてくれー!」と叫ぶと、「今度はご主人様の一大事!」と察知して、川面めがけてドッボーン!と飛び込んで助けに来る、といっても「・・・」。
●その翌日、他の子供たちにも見せてあげようとして同じことを試みてみたら、愛犬たちは知らん振り。「うそつきー!」と子供たちがオレに水をかける。それを主人がいじめられていると勘違いした愛犬たちが、またド
ッボーン!と飛び込んで助けに来る、といっても・・・なにをいっても「・・・」て帰っていった。
TVが欲しかったのは賢い犬ではなく、逆立ちとかニャーオと鳴く犬が目的だったらしい。そんな番組、こっちからお断りや!
身体はとにかく大きいけれど、限りなく穏やかで優しく、誰もがこれぞ癒し犬と認めてくれている。こんなうちの犬たちをおいて「名犬」を語るなかれ、である。
■写真は小錦のふくらはぎほどもある大根をほうばる名犬ジロー。